「21世紀型高度情報科学農業への変革」

(1)「青年よ大志をいだけ!」

今から30年前、私は20歳の時に札幌農学校の先生であるクラーク博士の銅像の前
にいた。「青年よ大志をいだけ!」と書いてある。北海道大学のポプラ並木の
道の手前のクラーク会館に泊まり、感慨深く感銘をうけたことを思い出す。

1999年11月2日の午後、私は東京のホテル・ニューオータニでドイツ首相の
真正面の5メートル前の座席で討論会の様子を聴きながら、この言葉を思った。
ドイツのシュレジンガー首相はこのようなことを述べている。

「1999年11月9日でベルリンの壁が崩壊して丁度10年になる。歴史の進化と伴に
、古い歴史から新しい歴史への移行に伴い、「歴史の基軸」が移行する。その
移行に伴い,遅れていく人々と進んでいく人々がいる。遅れていく人々には
セーフテーネットの安全救済策が必要であり、進んでいく人々にはトランポリン
が必要である。「歴史の基軸」の移行に伴い、創造型人財の育成のために質的に
も量的にも高度な教育が、歴史の過渡期に、どうしても社会的に必要になる。」

私は高校・大学・大学院ともに日本育英会の奨学金をうけた。国民の税金により
勉強させてもらったので、ここに日本国民のみならず、世界に向かって発言する
ことにしたい。学生時代には農業の調査旅行を兼ねて30日で日本一周旅行をした。
ぜひ、若い人にも老人にもお勧めしたい。「書を捨てて旅に出よう!」

それから、アメリカ・イギリス・ドイツ・フランス・オーストリア・スイス
・エジプト・ギリシャ・オランダ・スペイン・オーストラリア・タイ・マレーシア
・シンガポール・カナダ・ニュージーランドの16ヶ国を30年かけて、ゆるりと
自費で夫婦で旅してみた。農業も都市も家も遺跡もお城も見てみた。まだ少ない。

そこで思う。「農業は未完成である。」ということである。
「食料自給率を上げる。農業生産を楽しくする。お米や食料をおいしくする。」

この3点をかなえるだけでも大変な努力が要る。しかし、出来るのだ!
少し、大きな回り道をしたが、これから膨大な提案をしたい。原稿用紙2000
枚近い内容になるが、世界農業を変革し、日本農業を変革する視点を提案したい。

(2)日本農業に必要な高度な応用科学と情報科学と政治家の力。

「イスラエルの農業がすごい!」という。24時間、野菜の育成状況を記録して
24時間管理で肥料を自動的に調節して、日本の30倍ぐらいの生産性を上げてい
るという。こういう機械や完全自動育成システムを導入すべきだ。こういう
進取の気性が「農業をおもしろくするのだ!」。古いやり方に固執するな!
おもしろくなければ仕事ではない。世界最先端の工学・農学・薬学・医学
遺伝子工学・食料科学・法学・会計学・経営学・財政学・経済学・家政学を
とりこみ、教育現場で高度な教育をして、強い農業人を創るべき時だ!
学問など永久に未完成である。現場の農業最前線は常に「芸術」を要求している。
美しい経営・美しい農業・美しい食べ物の完成の為に、諸学問を融合すべき時だ。

(3)資源循環型社会における価値観を新たに創れ!

「労働」と「資本」が対立して、歴史が進むのではない!

二者択一の単純な考え方を止めよう。むしろ、らせん構造で考えることだ。
あらゆる価値が、ジュズダマの数珠のように連なり、連鎖して回転していると
想えばいい。価値論など抽象的だから、自由に大きく考えるほうが常に勝つのだ。
討論や論争や言葉の世界でも、大きくなければ、農業も大きくならないのだ!
いつまでも。権力者の銭欲しさだけで農業をやることから自立した事業を世界的
に展開する若者を、全国農業現場から「人材」をつくる農業に切り替えることだ。
資源循環型社会における、新しい連鎖循環価値の考え方を提案していきたい。
これにより、土地の価格・コスト・流動性についても新しい視点を提案したい。
また、農業の未来設計における機能・コスト・形のあり方についても提案したい。

(4)「農業資源探査衛星システム」を構築して24時間自動管理システムを創れ。

世界最先端の技術レベルを軽視している人が、実に多い。
人間は自分のレベルに合わせて他人を評価するものであるが、
レベルが低いひとほど、極端な過小評価をするものだ。理解できないと
「あいつは馬鹿だ」と一言で言いきり、それ以上は思考停止するものだ。

夜の遅くまで、夜中の1時や2時まで農林省の明りが点いているのを見かけるが
つかれすぎている人が多い。それが「日本の未来」を悲観的にするのだ。
「日本人は暗い。陰気である。イメージが暗すぎる。」・・諸外国人が言う。

未来に対する限りない明るい展望は問題解決の方法の研究と試行錯誤を
恐れない勇気から出てくる。一人の力はたいしたことはないが「意志」が大事だ!

一人の意志が歴史を変える。・・・
一人の意志が世界を変える。・・・
一人の意志が日本を変える。・・・

徳尾裕久(とくお ひろひさ)。