「クロノスとカイノス」

古くからヨーロッパでは「時」と「時間」を分けています。
時は「クロノス」、時間は「カイノス」というギリシャ語で。

愛する瞬間・愛される瞬間・・・「その時」を人は永遠に忘れません。
長い長い人生の時間の中で、「あの時」だけは忘れない
という思い出を、人は数限りなく持つものです。

幸福感は「幸福なイメージのクロノスの積み重ね」から生まれます。
一瞬のさわやかさを永遠に「クロノス」で包むのです。

時の流れの連続を「カイノス」といいます。
時間はらせんを描いて永遠に流れます。

さて、犯罪者に多いのは、こころの奥の過去のイメージが汚いのです。
昔、漫画で読んだ「殺しの場面・盗みの場面・おどしの場面・いじめの場面」
等が、その人の快感のイメージとして、映像に残り、その「時・クロノス」の
場面を再現すると、快感をおぼえるのでしょう。心の中が汚れているのです。
傷ついています。昔の先生や友人や親の軽蔑した言葉や体罰や暴力で。

成功者の心には「美しいイメージ」で連続した夢のシナリオが多いのです。
「美しい南の島の海岸・砂漠の月夜・山から見た雲海・美しい富士山の姿・
ピラミッドの夜空に走る彗星・美しい海の夕焼け・美しい恋人のうなじ」などの
素敵なイメージが、楽しい「時」(クロノス)の連続イメージになっています。

ようするに、学生時代も成人になっても、時間に流されず、楽しい時を意識した
心の中で映像として、連続したシナリオの糸の流れで暖かく暖めれば、犯罪に
走らずに、むしろ時間をかけて成功者への道にいつでも入れるということです。
単に犯罪防止のために、罰を増やすとか罰金をかけるとかということではなく、
むしろ、人間の心理を踏まえた政治・政策・法案作成が必要な時代です。

21世紀に期待したいことは、そういう観点からの人間的な政治です。
「時間」(カイノス)に流されず「時」(クロノス)を楽しみたいものです。

徳尾裕久(とくお ひろひさ)。